理想を持った介護職の現実はしんどい

介護系の学生たちは自分の将来の仕事に対してとても高い福祉の理想像を持っており、日々の勉学や実践で介護について理解を深めています。誰かのために働きたいという理想は素晴らしく、これからの介護の現場での活躍が期待されています。介護職にも様々な働き方があるので、就職の際にはどのようなタイプの働き方をしようかと悩む学生も多いものです。学んだ介護の知識と技術を活かして、高齢者施設や身体障害者施設というような施設での職員になることもできますし、訪問介護のように地域に根差して介護を必要としている人の所へ出向いていくという働き方もあります。

新卒で希望と理想が充実している人が必ず出会うであろうことがらは、実際の福祉の現場での現実です。高齢者福祉を志して就職してみたは良いものの、自分が描いていた福祉のイメージとは全く違う現実があるということも十分あります。自分が何か相手の役に立とうと思い熱心にアプローチをしても、反応が無かったり無視されたり。利用者から苦言を呈されたりと、張り切って介護職員になったのに現実の現場でうまく状況に対応できずに心が疲れてしまう人も多いのです。

また、学校で習った介護技術は全ての利用者に適応できるものではありません。介護職員の中には、身体介護の最中に自分よりも重い利用者の介護をして腰を痛めてしまうということが多くあります。若い介護職員が早期に退職してしまう要因の1つとなっているのです。